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空気と太陽光線 [科学]

夏はなぜ暑いのか

夏はなぜ暑いのか

  • 作者: 佐藤 文隆
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/05/28
  • メディア: 単行本

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 空気と太陽光線


 気象庁が発表する気温とは地上1.25~2メートルの高さにある空気の温度です。「空気の」とわざわざ言ったのは、現実にはわれわれが感じる熱さには直射日光による熱さもあるからです。この気温の定義では温度計は直射日光を浴びていてはいけません。そうかといって温度を測る空気自体は直射日光を浴びている地面の上方ということであり、日陰の地面の上方ではない。気温とは、熱放射を防護した環境におかれた温度計で測った、熱放射で温まった空気の温度ということです。「気温」と一言で言っても結構ややこしいのです。
 直射日光を浴びたアスファルト、金属、陶器、などは触るとやけどするほどに高温になっているときがあります。50度以上などざらです。すなわち同じだけの太陽光線のもとでも、それを浴びて吸収する物体の性質によって温度が違うのです。そしてさらに空気はこうした太陽光の吸収物体ではありませんから、空気の温度は太陽光線によって直接熱せられるのではなく、地面などの太陽光吸収物質によって加熱されたものです。空気中で遠方が見えることからもわかるように空気は太陽光線に対しては透明であり、太陽光線を吸収して気温が上昇することは通常ありません。例外は黄砂や火山灰やスモッグなどで見通しが効かないような場合です。
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 引用した文章を読む限り、気温とは地上から1.25~2メートルの高さの温度を言っているのです。これは、人間の目の高さ(温度計の読み取り易い高さ)であり、地表の熱の影響を直接受けない高さではないかと思います。
 太陽光線が地表を温め、温まった地表が接している空気を温め、地表で温まった空気が地表付近の空気と対流で混ざることによって気温が決まってくるのです。風の強い日は、地表の空気と上空の空気が混ざりやすいので、気温が低くなる可能性があります。反対に、風が無い日は、地表付近に温まった空気がとどまりやすく、気温が高くなる可能性があります。
 気温は、太陽光の強さだけで決まるのではなくて、地面の状態や風の強さなど、いろんな要素が複雑に絡んで決まってくるようです。

 それにしても、熱源である地表に近い高さで空気の温度を測り、気温が太陽光の強さから計算した地表の平均温度よりも高いというのは、地面に住んでいる人間の勝手な思い込みだというのも一つの真実ではないかと私は思います。

(by 心如)


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